こんにちは、リハ主任の塚本です。
リハについて臨床含めて多く学んできている中で、
認知症と有酸素運動の関係について、少しお話ししたいと思います。これは私たちの人生にとって、決して無視できる話ではございません。
まず、認知症というものがございます。人は年齢を重ねると、記憶が曖昧になったり、今まで簡単にできていたことが難しくなったりいたします。それが少しずつ進行し、やがて日常生活にも支障をきたすようになります。それが認知症です。
では、どのようにすればこの認知症を防ぐことができるのでしょうか。もちろん、万能薬はまだ存在いたしません。しかし、最近の研究によると、一つの有効な方法が見つかっております。それが、有酸素運動です。
昨年発表された論文によると、有酸素運動が認知症のリスクを大きく下げる可能性があるということが明らかになりました。論文のタイトルは、”Long-Term Effects of Aerobic Exercise on Dementia Risk: A Population-Based Cohort Study”(有酸素運動の長期的な認知症リスクへの影響:人口ベースのコホート研究)です。
この研究では、50歳以上の成人を対象に、10年間にわたる有酸素運動の習慣と認知症の発症リスクの関係を調査いたしました。その結果、定期的に有酸素運動を行っていた方々は、そうでない方々に比べて認知症を発症するリスクが低いことが分かりました。特に、週に150分以上の運動を行っていた方々で、その効果が顕著に現れておりました。
では、なぜ有酸素運動が認知症の予防に役立つのでしょうか。その理由はいくつかございます。
第一に、運動をすると血流が良くなります。血流が良くなることで、脳にも十分な酸素や栄養が供給されます。脳は、私たちの体の中でも特にエネルギーを必要とする臓器です。そのため、血流が良くなることで、脳の働きが活発になり、神経細胞が健康に保たれるのです。
第二に、運動はストレスを減らします。ストレスは、脳にとってあまり良いものではございません。ストレスが溜まると、脳の神経細胞がダメージを受けやすくなり、認知機能の低下にもつながります。運動をすると気分がすっきりするのは、そうしたストレスを軽減する効果があるためです。
第三に、運動は脳内の神経成長因子(BDNF)を増やす働きがございます。BDNFは、脳の神経細胞の成長や修復を助ける物質です。このBDNFが増えることで、脳の神経ネットワークが強化され、記憶や学習能力が向上する可能性がございます。
つまり、運動をすることで脳の血流が良くなり、ストレスが減り、神経細胞が活性化いたします。これが、認知症予防に効果がある理由です。
では、具体的にどのような運動をすればよいのでしょうか。研究では、週に150分以上の有酸素運動が効果的であるとされております。有酸素運動とは、ウォーキングやジョギング、自転車、水泳など、心拍数を上げながら継続できる運動のことを指します。
「そんなに運動するのは大変だ」と思われるかもしれません。しかし、何も激しい運動をする必要はございません。例えば、1日30分のウォーキングを週に5回行うだけでも十分な効果がございます。もし30分が難しい場合は、1日15分でも構いません。大切なのは、とにかく動くことです。
「でも、運動を続けるのは苦手だ」という方もいらっしゃるでしょう。そのような場合は、誰かと一緒に行うのもよいかもしれません。友人やご家族と散歩をしたり、スポーツクラブに通ったりすると、続けやすくなります。
また、オルシア訪問看護ステーションでは、心拍数をモニタリングしながら安全に有酸素運動を行うことが可能です。運動の習慣をつけるのが難しい方や、健康状態に不安がある方にとっては、こうしたサポートがあると心強いでしょう。
結局のところ、認知症を完全に防ぐ方法はまだ見つかっておりません。しかし、私たちにできることはございます。それが、運動をすることです。少しずつでも構いません。本日、10分だけ歩いてみることから始めてみてはいかがでしょうか。そうすれば、未来のご自身がきっと感謝するはずです。
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